ロレックスのオーバーホールの手順

時計のオーバーホールとは、時計を分解して、洗浄、修理、注油、時間調整などのメンテナンスを行うことです。オーバーホールによって、時計は本来の機能と美しい外観を取り戻します。

ムーブメントは分解・洗浄され、消耗した部品があれば新しいものと交換され、徹底した調整が行われます。ケースとブレスレットには、その輝きを取り戻すために、洗浄・研磨され非常に綿密な仕上げが施さて、生まれ変わります。その後、メンテナンスされた時計が本当に問題ないか精度や防水性能を厳しくチェックされた後、持ち主の手に戻るわけです。実際に正規の日本ロレックスに修理を依頼した場合、どのようにオーバーホールされるかを解説します。

ステップ １．分解
まず、ブレスレットを時計のケースから取り外されます。その後、ケースの裏蓋が開けられ、ムーブメントが取り外されます。当然、ブレスレットやケースも完全に分解されます。

ステップ ２．ムーブメントの洗浄
時計の心臓部であるムーブメントが全てバラバラに分解され、各部品は専用の溶剤で超音波洗浄されます。

ステップ ３．部品の交換
その後、技術者がムーブメントの部品ひとつひとつを綿密に検査し、交換が必要な部品があれば、新品と交換されます。ちなみに交換される部品は、スイスのロレックス本社から供給される純正品のみが使用されます。

ステップ ４．ムーブメントの注油と組み立て
各部品の摩擦や摩耗を抑え長く使えるようにするため、組み立てながらムーブメント各部に高品質な潤滑油を注油します。潤滑油を注油することで、時計は高い精度を保ち続けることができるのです。

ステップ ５．タイミング調整
1日に69万回以上の振動を刻みながら動き続けるテンプは、ロレックスのムーブメントの心臓部にあたります。テンプの精度を維持するために、時計技術者は専用の測定機器で計測しながら注意深く調整します。その後、調整された精度を確認するために数日間にわたって計測検査が実施されます。

ステップ ６．ケースとブレスレットの研磨仕上げ
時計のケースとブレスレットについても丁寧に取り扱われます。洗浄後、ケースとブレスレットを丁寧に点検し、ムーブメントと同様に消耗していたり傷ついていたりする部品については新品と交換されます。交換部品も当然、ロレックスの純正部品のみが使用されます。その後、専門の技術者による研磨と超音波洗浄を経て新品同様の輝きを取り戻すのです。

ステップ ７．ケースの再組み立て
ケースは入念に組み立てられ、防水性能を維持するために全てのパッキン類は新品と交換されます。

ステップ ８．防水検査
時計のケースは「減圧試験」「加圧試験」「ケース内の結露を確認する検査」の３つの検査を経て、規定の水圧に耐えられることを確認します。

ステップ ９．最終品質検査
各工程において厳密な品質チェックをクリアしたロレックスは最終品質検査が行われます。最終検査では最高の品質を保証するため、自動巻きの持続、精度、そして外観においても基準を満たしていることを改めて確認し、最終品質検査をクリアされたロレックスは持ち主の元に帰るのです。